一途な御曹司に身も心も奪われ虜になりました

互いに嘘に敏感で、真っ直ぐで、作為的なことの出来ない似た者のふたり。


「もしかしてふたり、合うかも?」


何気なく言葉にする。

でも菅原くんは無理だと言う。


「どうして?」


即座に否定した菅原くんに理由を問う。

すると菅原くんはコーヒーを飲み、曖昧に答えた。


「耀さんは田辺さんでは無理」

「だからどうして?」


追求するも答えてくれない。

話を逸らされた。


「美羽ちゃんはさ、優さんの話聞いてどう思った?」

「私は…」


驚き、混乱したけど、あれからエンパス体質について自分なりに色々調べたし、考えた。

考え過ぎて耀が夢に出てくるほど、考え調べた。

その中で恋人には同じ境遇にある人が良いという記事を見つけていたのだ。

それは菅原くんも見たと言う。


「でも優さんの話を聞く限り、耀さんの体質は少し、いや、かなり重いよね?家族からも隔離されるほどだよ?普通じゃない」


田辺さんには負担になると言いたいのだろうか。

だとしても耀は恋をしたいと本当は思ってる。

そのことを知った今、推進課の存続云々はさておき、きちんと応援してあげるだけの名目は出来ているのだ。
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