一途な御曹司に身も心も奪われ虜になりました
なんだ。

そっか。

エンパスの体質を持つ耀自身が証明してくれていたんだ。

私はきちんと耀を好きなんだって。

不安なんて頭で考えているだけで気持ちはきちんと耀に惹かれているんだ。

だから耀に触れても耀は不快に思わなかったんだ。

自分の気持ちに疎いのも問題だ。


「こちらこそよろしくお願いします」


自分から付き合いを申し出ておきながらの言葉ではないけど頭を下げて答えると耀は嬉しそうに微笑んだ。

その眩しい笑顔にハッとする。


「私好みのイケメン姿はあまりしないでください」


他の女性の目が向いてしまう。

耀がイケメンであることを知っているのは私だけで十分。

…なんて、既に独占欲丸出し。

でも耀は嬉しそうだ。

セットされた前髪をくしゃくしゃにしていつものように顔を隠した。

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