一途な御曹司に身も心も奪われ虜になりました
話を戻してくれた耀に姿勢を正し、もう一度問う。
「耀さんの体質のこと、ご存知ですか?」
「残念ながら知りません。ですが、おそらく野田専務もまたエンパス体質だと思います。僕ほど酷くはないと思いますが」
エンパスの体質について調べた時、日本人には比較的多い体質だという記事を思い出した。
それと傷付きながらも笑っていた里香の本当の痛みに気付き、里香を救ったのが野田専務であったこと、そして人の気持ちを汲み取ることに長けていたことでのし上がった才覚も思い出し、エンパスであるということに合点がいく。
「だとしたら奥様の一件、辛かっただろうな」
暗く、重く、何気なくポツリと呟くと隣に耀がやって来て、正座した。
そして次の瞬間、ギュッと抱き締めてくれた。
「ど、どうしました?」
「気持ち、変わりましたか?」
言われて私の気持ちが落ちていたのを察してくれたのだと分かった。
その優しさに触れて、心がじわっと暖かくなった。
首元で交差する腕に触れる。
「ありがとうございます」
「吉木さんはエンパスではないのでしょうけど他人の気持ちに寄り添える方ですよね。そういうところ、すごく素敵だと思います」
顔が見えないのをいいことに甘い言葉を囁かれると物凄く照れる。
黙っていると突然、個室の扉が開いた。
「耀さんの体質のこと、ご存知ですか?」
「残念ながら知りません。ですが、おそらく野田専務もまたエンパス体質だと思います。僕ほど酷くはないと思いますが」
エンパスの体質について調べた時、日本人には比較的多い体質だという記事を思い出した。
それと傷付きながらも笑っていた里香の本当の痛みに気付き、里香を救ったのが野田専務であったこと、そして人の気持ちを汲み取ることに長けていたことでのし上がった才覚も思い出し、エンパスであるということに合点がいく。
「だとしたら奥様の一件、辛かっただろうな」
暗く、重く、何気なくポツリと呟くと隣に耀がやって来て、正座した。
そして次の瞬間、ギュッと抱き締めてくれた。
「ど、どうしました?」
「気持ち、変わりましたか?」
言われて私の気持ちが落ちていたのを察してくれたのだと分かった。
その優しさに触れて、心がじわっと暖かくなった。
首元で交差する腕に触れる。
「ありがとうございます」
「吉木さんはエンパスではないのでしょうけど他人の気持ちに寄り添える方ですよね。そういうところ、すごく素敵だと思います」
顔が見えないのをいいことに甘い言葉を囁かれると物凄く照れる。
黙っていると突然、個室の扉が開いた。