一途な御曹司に身も心も奪われ虜になりました
「すみません。おふたりの欲しい答えを言えなくて」
私たちの本来の目的を見透かされたようでドキッとした。
様子を伺い見るように耀を見つめる。
すると耀は唇を少しだけ噛んでから顔を上げた。
「ただ協力はします。兄には迷惑を掛けてばかりでしたので、兄に僕が必要ならイベントに参加致します」
「ありがとうございます!」
耀がイベントに参加してくれるならどんな形でもいい。
それがなにかのきっかけに繋がるかもしれないから。
前乗りになって課長より先にお礼を伝える。
すると耀が手のひらを私の方に向け、言葉を制した。
「ただし、僕に関しての余計な御世話は無用です。絶対に僕に恋人を、とか考えないでください。僕には関わらないでください」