一途な御曹司に身も心も奪われ虜になりました
ミッション2 中村耀のお相手を探し出せ
「耀さんをイベントに参加させる事が出来たなんて凄いじゃない!」
耀が去った相談室に菅原くんと蓮見さんを呼び出した。
そこで結果だけを先に話したのだけど、蓮見さんの拍手に笑顔は向けられない。
「問題は山積みなんです。ね?課長」
話を振ると課長は無表情のまま頷き、ため息混じりに言った。
「耀さんは自分のために参加するのではないんです」
「どういうことっすか?」
菅原くんの問いに課長に変わり、優と話したところから順を追って話す。
それを菅原くんがまとめた。
「…つまり兄のために参加はするけど耀さん自身はそれ以上でも以下でもないってこと?」
「いえ、それ以下です。耀さんは我々に関わるなと言いました。たとえそれを無視してお世話をしたとしても、視線さえ合わすことが難しい彼をどのように恋愛に向けていけば良いのか、非常に悩みます。それにあの…」
『容姿』という単語を課長はコーヒーで飲み込んだ。
でもそこは否定させてもらう。
「その点ですが、私は、耀さんは優さんよりも綺麗な顔立ちだと思いました」
そう言うとエスプレッソマシーンで好物の抹茶オレを淹れていた蓮見さんが振り返った。
「イケメン好きの美羽ちゃんが言うんだから間違いなさそうね」
「えぇ」
私には自他共に認められているイケメンレーダーを持っている。
このレーダーは中途半端なイケメンには反応しない。
逆に言えばどんなに冴えない男性でもこのレーダーが反応した場合、その後必ずモテるようになる。
耀にはその可能性が十分ある。