一途な御曹司に身も心も奪われ虜になりました
ミッション3 バーベキューイベントでお近付き

入社してすぐに取得させられた中型免許を片手に、今日も私が運転するマイクロバスに蓮見さんと私を含めて全部で14名の女性を乗車させ、バーベキュー会場へと向かう。


「運転代わろうか?」


トイレ休憩でサービスエリアに寄った時、蓮見さんが申し出てくれた。

でも会社からバーベキュー会場までの運転は慣れたもので、カーナビがなくても道を覚えている。

好意を遠慮して、高速を下りて国道を進み、
山の麓のトンネルを目指す。


「わぁー綺麗」


社内から歓声が上がった。

トンネルを抜けた先に新芽の鮮やかな緑と雲ひとつない青空が視界いっぱいに広がっていたのだ。

都会にはない癒しの空間。

マイナスイオンをガラス越しに浴び、何度もカーブを曲がり、頂上を超える。

そして少し下れば河内川の高台に沿うように並ぶキャンプ場に到着した。


「お疲れ様でした。荷物は置いていって構いませんが、貴重品だけは身に付けていて下さい、って皆さん聞いてませんね」


社内の女性たちは業務連絡には耳も貸さず、一足先に着いている男性陣を見下ろし、品定めしている。

それに倣うように私も見下ろすと、一際目立つ私服姿の優が目に飛び込んできた。

デニムジーンズに白Tシャツ、薄いブルーの長袖アウターが優の爽やかさを引き立てている。

女性陣の目は当然釘付け。

一方、推進課注目の耀もまた女性陣の視線を集めていた。
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