一途な御曹司に身も心も奪われ虜になりました


「まずは火おこしからお願いします」


キャンプ場の受付手続きを済ませて戻って来た推進課課長の号令でバーベキュー婚活開始。

各グループ協力して火おこしに取り掛かる。

普段はくじ引きで決まるグループ分けだけど、今回に限っては耀と里香を故意的に同じグループに配置すべく、推進課で勝手に3班に分けさせて貰った。


「良かった。苦情はなさそう」


優と同じグループに入りたいという苦情が来るかもしれないということを懸念していたが今のところ問題ない。


「優さんとセットの耀さんのおかげ(?)で苦情が出ないのよ」


胸を撫でおろしている私の背中をポンと叩いて解説してくれたのは蓮見さんだ。


「プラスマイナスゼロってところかしらね」

「でも優さん自身は耀さんと同じグループであることを嫌がっているんですよ」


実はメンバー割りを発表したあと、バスの裏手に呼び出され、兄弟であることは伏せておいて欲しいと言われたのだ。
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