一途な御曹司に身も心も奪われ虜になりました

じわじわと燃え広がる火に参加者全員が注目。

炭が赤くなった瞬間、ワッと声が上がった。


「すごーい！着いた！」


早くやってみようと各グループに人が散らばると、残った里香と菅原くんは両手のひらを耀に向けた。


「？」


なんのことだか分からない耀に、里香は一度手を下げると耀の手を取り、肩の位置まで再度上げ直してパチンと互いの手のひらを打ち付けた。


「大成功！」


里香の弾けるような笑顔に耀もつられて無邪気な笑顔を浮かべ、照れた様子で菅原くんともハイタッチを交わした。

里香を参加させて良かったと心から思った瞬間だった。