一途な御曹司に身も心も奪われ虜になりました

「佐々木さんのこと『綺麗なだけじゃない』『見直した』って人、男女問わず結構いるよ。俺もそのひとり。助け船を出した佐々木さん見て胸が熱くなったね」


尊敬の眼差しを向けている菅原くんと、彼の言葉に私の胸も熱くなる。

頬が綻ぶ。

そんな私を見て菅原くんは顔を歪めた。


「なんで笑ってんの」

「だって里香の良いところが菅原くんを含めたみんなに伝わったんだよ。こんなに嬉しいことはないよ」


そう言うと菅原くんと蓮見さんは少しの間の後、フッと笑った。


「美羽ちゃんのいいところね」

「そっすね。あ、でもそれより、ねぇ美羽ちゃん、佐々木さんって酒豪?」

「え?」


突然、なにを言い出すのかと思ったら酒豪??

話の意図が掴めない。

首を捻り、次の言葉を待つ。


「お酒の減りが早いんだよね」

「里香が飲んでるって言いたいの?」


里香は日本酒を好んで飲むけど、今日は日本酒は用意していないからさほど飲むとは思えない。


「暑いからみんな飲んじゃってるんじゃないの?」

「それにしても減りが早いよ」


首を振る菅原くんの表情は硬い。
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