一途な御曹司に身も心も奪われ虜になりました
特に今回、菅原くんは里香と同じように耀のフォローをした。

女性は優しさに弱い。

その上、見た目の良さもある。

そうなると人気が出るのは間違いない。


「こうなったらこの中から誰か選びなよ。そうすれば成立率は上がるし、今後、菅原くんに票が集まることはなくなるから。ほら今回は女性のレベル高いよ?誰か良いと思った子いない?」

「ちょっと、ちょっとー。美羽ちゃんひどくない?俺が好きなのは美羽ちゃんだって知ってるくせにそんなこと言ってさー」


はい、出た。

お決まりの『好き』。

さすがにこのタイミングで言われるとイラッとする。

でも私がイライラしても意味がない。

小さく息を吐き、気持ちを切り替え菅原くんに向き合う。


「いい機会だから言っておくね。人の気を弄ぶのは趣味悪いよ。それと本当に伝えたい時に信じてもらえなくなるから『好き』を簡単に言うのはやめた方がいい。分かった?」


静かに忠告する。

そうすれば菅原くんも真面目な顔で私を見て頷いた…と思ったらニカッと満面の笑みを浮かべた。


「なんで笑うのよ」

「だって美羽ちゃんバカなんだもん」


失礼なっ!

人が真剣に考えて教えてあげてるのに。

頬を手で思いっきり抓る。


「イテテ」


痛がる菅原くんの背後で蓮見さんが笑った。


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