一途な御曹司に身も心も奪われ虜になりました
するとそれまで難しい顔をしていた里香が目を閉じ、それからしばらくしてフッと鼻で笑った。
「美羽。ごめん。私はそんなに純粋じゃないよ。美羽は私のこと分かっていない。私はしたたかな人間よ」
そう言って見開いた里香の瞳は見たことないほど暗かった。
いったい、里香はなにを抱えているのだろう。
心臓にドロリと不快なものが流れた。
それでも否定してあげたい。
したたかであろうと耀を救ったことは事実で、身を呈して耀を守った里香はすごい女性だ。
それを言ってあげたい。
でもそれを言うより先に里香は立ち上がり、部屋を出て行ってしまった。
「嫌な雰囲気にさせてしまったな。すまない」
素直に謝る優をキッと睨み、真意を問う。
「いったい、なに考えてるんですか?勝手に動き回って。暇なんですか?」
「暇じゃない。暇じゃないからこそ早く決着付けたいんだ」
優は午前中自由にさせてくれと上司に頼んだらしい。
そこまでして里香とのことを先に進めたいなんて。
「いつの間にそんなに里香のこと好きになったんですか?」
「なに言ってるんだ。こんな短時間で好きになるわけないだろ」
やはり違うのか。
責め立てる優を見てなんとなくそれは思った。
「ではなぜ佐々木さんに近付いているんですか?」
菅原くんの質問に優は窓の外を見てポツリと答えた。
「耀を助けた子だからだ」
耀を助けた子?
それが付き合いたい理由?
意味が分からない。
「美羽。ごめん。私はそんなに純粋じゃないよ。美羽は私のこと分かっていない。私はしたたかな人間よ」
そう言って見開いた里香の瞳は見たことないほど暗かった。
いったい、里香はなにを抱えているのだろう。
心臓にドロリと不快なものが流れた。
それでも否定してあげたい。
したたかであろうと耀を救ったことは事実で、身を呈して耀を守った里香はすごい女性だ。
それを言ってあげたい。
でもそれを言うより先に里香は立ち上がり、部屋を出て行ってしまった。
「嫌な雰囲気にさせてしまったな。すまない」
素直に謝る優をキッと睨み、真意を問う。
「いったい、なに考えてるんですか?勝手に動き回って。暇なんですか?」
「暇じゃない。暇じゃないからこそ早く決着付けたいんだ」
優は午前中自由にさせてくれと上司に頼んだらしい。
そこまでして里香とのことを先に進めたいなんて。
「いつの間にそんなに里香のこと好きになったんですか?」
「なに言ってるんだ。こんな短時間で好きになるわけないだろ」
やはり違うのか。
責め立てる優を見てなんとなくそれは思った。
「ではなぜ佐々木さんに近付いているんですか?」
菅原くんの質問に優は窓の外を見てポツリと答えた。
「耀を助けた子だからだ」
耀を助けた子?
それが付き合いたい理由?
意味が分からない。