一途な御曹司に身も心も奪われ虜になりました
菅原くんが予約してくれたイタリアンレストランは暖かなオレンジ色のライトと木目調がどこか懐かしい気分にさせるステキなお店だった。

しかも案内されたのは二階にある個室。

人目を気にしなくて良い個室を予約してくれたところに菅原くんの思いやりを感じる。

それは耀も気付いたようで菅原くんの隣に座った時に小さく頭を下げていた。


「料理はコースを頼んであるので」


隅々まで行き届いている菅原くんの気遣いに感服するばかり。

飲み放題のメニューから各自飲み物を決める。


「耀さんはあまり飲み過ぎないようにしましょうね」


向かいに座る耀に意地悪く微笑んで見せると耀は何度も細かく首を縦に振った。

そして眼鏡の位置をずらしてから里香の方に体を向け、頭を下げた。


「佐々木さん、その節はご迷惑をおかけしてすみませんでした。本当はお詫びの品をお持ちしたかったのですが忘れてしまい…重ね重ねすみません」

「気にしないでください。頭も上げてください。お酒の失敗なんてよくあることですから」


頭をあげた耀は里香が柔らかく微笑んだのを見てまた小さく「すみません」と言い、視線を下げた。
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