一途な御曹司に身も心も奪われ虜になりました
そうすれば菅原くんが私の言葉に乗り、乾杯の音頭を取ってくれた。


「これから親睦が深まることを期待して、かんぱーい!」


菅原くんの上手い言葉に納得しつつ、四人のグラスを合わせる。


「んー!美味い!やっぱり仕事終わりのビールは格別ですな」


一気に半分のビールを飲んだ菅原くんは耀の方を見て言った。


「カルピスサワーはどうっすか?」

「あ、飲みやすくて美味しいです」


そう言うと耀は私の方を見たのでニコリと微笑んで見せる。

すると耀も弱々しく微笑んだ。

その無言のやり取りになんとなく、耀が私に心を許し始めてくれているような気がして嬉しくなる。

気難しいペットを懐柔するような、不思議な感覚がした。


「へへ」


思わずにやけて笑ってしまうと菅原くんが指摘してきた。


「美羽ちゃん。なに笑ってんの」

「別にー。それよりここ、食事も美味しいね」

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