一つの輝
教室はガヤガヤしていた。

「おはようございまーす」

咲が言ってみたが誰も返事してくれない。そりゃあ最初だもんね。

「えー!もしかして魅麗ちゃん⁉︎」

と咲が叫んでいる方向を見ると

そこには…

美しい一人の女の子がいた。

「あれは…」

あれは、新体操ジュニア日本一の
月崎 魅麗 ツキザキ ミレイ …
見ているものを魅了する演技ができる天才と呼ばれている日本一だ。

まさか同じ高校でさらに同じクラスだったなんて…

「なによ。人の名前を大声で叫んで。
何か用?あなた花光 咲さんと星野美輝さんよね?」

「名前覚えてくれてるの⁉︎ありがと!」
と言って咲が言って月崎さんに握手を求めてる。
「まあね。あなた達ももちろん新体操部でしょ?」

「そうよ?何か文句、ある?」


「ないわよ。ただ、私には勝てないだろうけど。まあ、私に追いつけるように頑張ってよ」

と言いながら去っていった。

うわーすごい性格だなー。

「魅麗ちゃんこわーい!」

「私たちがあの子を抜かせばいいんだよ。私たちは私たちで頑張ろう。」

「そうだね!」

咲と話してると、新しい担任が入ってきたので席に座った。
女性の20代後半〜30代前半くらいかな?
でもとても綺麗でスタイルがいい。

「神崎 詩織 です。 一年間よろしくお願いします。」

…!神崎 詩織って…オリンピックに出たあの神崎詩織⁉︎

見た目が変わってて全然わからなかった…

すごいなぁ、、新体操でオリンピックにでて引退したら学校の先生になるなんて、、、

そんな事を考えていたら、みんな立ち上がって体育館へ向かっていた。

(やばっ急がなきゃ)

何とかみんなに追いついて、遅れずに済んだ。
入学式が始まった。
と言っても新入生は話を聞くだけだから退屈だな。

この高校に来てまだ1日も経っていないのに色んな出会いがあってびっくりだな…私の高校生活これからどうなるんだろう。
色々考えていたら入学式が終わって教室に帰っていた。
今日は入学式だけなので授業はなく、もう帰れる。
「さよーなら!」

「みーきー!かーえろっ!」

「うん」

私達は帰り道、月崎さんについて話していた。
月崎 魅麗 という存在が現れたことで大きく変わった気がする。

でも私の中で一つ大きな目標ができた。

…日本一になること

日本一になるなんて程遠いと思った。
でも今は日本一の人が身近に居る。
頑張ればなれると思った。

魅麗が日本一になった大会で私は7位だった。
その大会で私は「場外」という手具をフロアの外に出してしまう大きなミスをしてしまった。
そのミスに続き次々ミスをしてしまい、点数は最悪になった。もし、私があの時実力を出し切れていれば日本一になれたかもしれない。
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