七つ星の約束 ~In The Darkness ~
  ― Dear 『A』―



お元気ですか?
キミは、元気でやっていますか?

先日、窓から雪景色を見ていたら、ふとキミのコトを想い出しました。

たぶんキミは、もう私のコトなんか忘れてしまったかな?

私達が出逢ったのは、もう10年以上前のコト。
道ですれ違っても分からないかもしれないね…


あの頃の私達は、次の日仕事があるのにも関わらず、朝まで車の中でお喋りしたね。

違う土地で生まれ育った私達は、方言の練習なんてしちゃって…

毎日が楽しくて、毎日キミに逢いたくて、毎日キミの声を聞いていたかった。

それはたぶん、キミも同じだったのかな?

いや、私だけかな?


もしあの時、私達は付き合っていたら…

なんて考えるコト、やめます。


互いに別の相手がいたから友達のままで、こうやってイイ想い出になっているんだね。


キミと逢ってから、3ヶ月間という短い期間は、夢のような時間だった。

期間限定の出逢が終わったら、また元の生活に戻るのにキミといた余韻があまりにも大きすぎて淋しかったよ。

キミが元の場所に帰る時、私は内緒で見送りしたのにキミは私を見つけてくれたね。
そして、内緒で私に小さく手を振ってくれた。

そのキミの姿を見た私は、今までガマンしていた涙が後から後から溢れてしばらくキミの乗った飛行機をぼんやり見ていたよ。



今キミは、元気でやってますか?

今キミは、幸福せですか?

今キミは、ちゃんと笑っていますか?

今キミは、ちゃんと愛されてますか?



疎遠になってしまった私達だけど、この名前に気付いてくれたなら、私はそれだけで幸福せです。

ありがとう… A




Dear キミへ


From ミホ





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