LOVE ―先生と私―
―先生目線―


でもオレの予想ははずれてた。


「おはよーございますっ!!!」


嬉しかった。


この時ほど感情表現がうといことをうらんだことはなかった。


木村の笑顔がまぶしくてどうしようもなかった。


「おはようございます。」
俺はやっとの思いであいさつしかえした。

その日から一週間、木村はいつも俺の近くに来てくれた。


横を見れば太陽のような笑顔が俺をじっと見つめてくれた。


全く怖れずに見つめてくれた。


俺は木村のことがどんどん好きになった。

そんなある日の放課後、いつものように生徒達が下校した頃を見計らって教室に行くと、木村が残っていた。


木村に話しかけてみるが…返事がない。

どうも様子がおかしい…。



もしかして……泣いてるのか…?


俺は焦った。


何かイヤなことがあったのだろうか。

いじめられたんじゃないだろうか。

俺の頭の中が軽くパニックを起こしていると、木村が急に立ち上がり帰ろうとした。

俺は思わず木村の腕を掴んだ。

木村をこっちに向かせると涙を流していた。

「……やっぱり泣いてる」
そう言って俺が木村の涙をぬぐうと、木村はとても辛そうな顔をした。


だから俺は怖くなって、担任きどりで木村に言い訳をした。


すると、木村はお礼をのべて笑顔を向けてきた。


すごく無理した笑顔だった。
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