LOVE ―先生と私―
―先生目線―


木村の手当てが終わり、2人で廊下を歩いていた。



「あのぉ…迷惑かけちゃってすいません…」


木村が、謝ってきた。


迷惑なんかじゃない。俺が木村に言わなきゃいけない言葉だ…。



そう思い、迷惑なんかじゃないと伝えて木村を見ると、木村はしっかり俺の目を見つめ返して、少し顔を赤らめた。


ヤバい…


カワイイ………



そんな反応をされると期待してしまう。
俺が君を想うように君を俺を想ってくれるかもしれない……と。



すると、木村が俺に自習にして大丈夫だったのかと聞いてきた。


俺は思わず本音を言った。



すると、木村は慌てて教室に帰ろうと言い出した。



俺は走り出そうとした木村の腕を掴んだ。


まだ2人きりでいたいと思う、俺の本心を隠すように、俺は廊下のはりがみを指差した。



それを見ると、木村は柔らかくほほえんだ。


ほらね…



そうやって柔らかい笑顔で俺に笑いかける生徒は君が始めてだから……



俺はどんどん君を好きになってしまうんだ。



君は知らない…



俺の心臓がドキドキと音を立てていることを……



心音が君に聞こえやしないかとヒヤヒヤしていることを………
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