カフェ・ブレイク
こうして章さんを諦めた今、コウルドンに固執すべきではないと一旦は諦めた。
でも、思いがけずこんな風に贈っていただいて、うれしくてうれしくて涙が出そう。
……てか、出た。
ほろりと涙がこぼれ落ちた。
慌てて鼻をすすったので、電話の向こうの要人さんにも、私が泣いてることが伝わってしまったらしい。
『ティーカップでそれだけ喜んでくれはるのなら、贈りがいがありますね。』
義人くんそっくりの優しい声でそう言われて、たまらず、嗚咽がこぼれた。
『……夏子さん?』
「ごめんなさい。大丈夫です。本当にありがとうございました。今度こそ割らないように、大事に使わせていただきますね。」
そう言って電話を切ろうとしたけれど、電話の向こうで要人さんが尋ねるのが聞こえた。
『2客お贈りした意味は、伝わってますか?』
「……?……わかりません。また割った時の、保険?」
私がそう聞くと、要人さんは楽しそうに声をあげて笑った。
違ったのかしら。
ちょっと困ってると、
『失礼。』
と、男前ボイスで断ってから、要人さんは言った。
『今度、私をお茶に誘ってください、と、おねだりしてるんですよ。』
おねだり?
誰が?
ええ!?
驚いて声が出ない。
どう返事しようか困っていて、義人くんが以前言ってたことを思い出した。
「また」とか「今度」とかのつく誘いは受け流しちゃっていいのよね。
私はスーッと深呼吸をしてから、
「そうですね。また、いつでもお越しくださいませ。」
と社交辞令で返した。
でも、思いがけずこんな風に贈っていただいて、うれしくてうれしくて涙が出そう。
……てか、出た。
ほろりと涙がこぼれ落ちた。
慌てて鼻をすすったので、電話の向こうの要人さんにも、私が泣いてることが伝わってしまったらしい。
『ティーカップでそれだけ喜んでくれはるのなら、贈りがいがありますね。』
義人くんそっくりの優しい声でそう言われて、たまらず、嗚咽がこぼれた。
『……夏子さん?』
「ごめんなさい。大丈夫です。本当にありがとうございました。今度こそ割らないように、大事に使わせていただきますね。」
そう言って電話を切ろうとしたけれど、電話の向こうで要人さんが尋ねるのが聞こえた。
『2客お贈りした意味は、伝わってますか?』
「……?……わかりません。また割った時の、保険?」
私がそう聞くと、要人さんは楽しそうに声をあげて笑った。
違ったのかしら。
ちょっと困ってると、
『失礼。』
と、男前ボイスで断ってから、要人さんは言った。
『今度、私をお茶に誘ってください、と、おねだりしてるんですよ。』
おねだり?
誰が?
ええ!?
驚いて声が出ない。
どう返事しようか困っていて、義人くんが以前言ってたことを思い出した。
「また」とか「今度」とかのつく誘いは受け流しちゃっていいのよね。
私はスーッと深呼吸をしてから、
「そうですね。また、いつでもお越しくださいませ。」
と社交辞令で返した。