One more kiss
「はじめまして!アタシ、メイク担当のマコトでぇーす!やだー、あなたお肌スベスベじゃなーい!」
……まさか恋に落ちたその数秒後、速攻で失恋する羽目になるとは……。
『オネエ』と呼ばれる心が乙女の方達が、必ずしも、外見まで女性らしく装っているとは限らないのだという事を、改めて認識した瞬間だった。
「さ、座って座って。このマコトさんが、さらに可愛く変身させてあげちゃうからねー!」
あまりの出来事に、おそらくその時の私はかなり呆けた表情で固まっていた事だろう。
その様子に気付かなかったのか、それとも初仕事の緊張ゆえのリアクションだと判断したのか、はたまた全力でスルーしたのか、マコトさんはさっさと私の手を引いて鏡台の前に座らせると、キャッキャッと陽気にはしゃぎながら自分の任務を開始した。
それがヘアメイク&メイクアップアーティスト、緒方真さんとの記念すべき初対面。
私のモデルとしての門出の日でもあり、生まれて初めて一目惚れというものを経験して、そして人生の失恋最短記録を大幅に更新してしまった、とにかくもう色んな意味で生涯忘れる事のできない、とっても印象深い日なのであった。
……まさか恋に落ちたその数秒後、速攻で失恋する羽目になるとは……。
『オネエ』と呼ばれる心が乙女の方達が、必ずしも、外見まで女性らしく装っているとは限らないのだという事を、改めて認識した瞬間だった。
「さ、座って座って。このマコトさんが、さらに可愛く変身させてあげちゃうからねー!」
あまりの出来事に、おそらくその時の私はかなり呆けた表情で固まっていた事だろう。
その様子に気付かなかったのか、それとも初仕事の緊張ゆえのリアクションだと判断したのか、はたまた全力でスルーしたのか、マコトさんはさっさと私の手を引いて鏡台の前に座らせると、キャッキャッと陽気にはしゃぎながら自分の任務を開始した。
それがヘアメイク&メイクアップアーティスト、緒方真さんとの記念すべき初対面。
私のモデルとしての門出の日でもあり、生まれて初めて一目惚れというものを経験して、そして人生の失恋最短記録を大幅に更新してしまった、とにかくもう色んな意味で生涯忘れる事のできない、とっても印象深い日なのであった。