転校先は男子校?!
始まり
はぁ〜今日は本当についてないな俺
今だってそうだ
顔を隠した変なやつに捕まっている
なんで今日に限ってこんなに不運なんだよ
俺は今の状況に頭が追いつかず
ただ呆然と立っていることしか出来なかった
「…おい」
すると前のやつが喋り出した
突然のことに体がびくっとしてしまった
声からして男らしいということだけわかった
あとわかったのは怪しいということだけ
そいつの方をきっと睨みつけて俺は言った
「はい?」
なんとか返事をした俺はもちろん緊張しまくり
なんてったって俺は大の男嫌いだからな
近づくだけで体が震えてしまうほどだった
まぁそれは置いといて俺はさらに
前の男を睨みつける
すると前のやつが
「…お前俺の学校に来い」
そいつの言葉に体が硬直する
それゃなるよな?
こんな怪しいし怖いヤツあったことねぇもん
普通警戒するよな?
俺から見たらただの不審者に
俺の学校に来いって言われたんだぜ?
新種の誘拐方法かなにかですか?
とっさにそいつから離れると
俺は叫んだ
「ふ、不審者がここに「おいまて!誤解をうむ発言すんじゃねぇ!」
男がそう言いながら走って来ていたが
気づいた時にはもう遅かった
俺が逃げようとした時には
男に手を掴まれていて
もう片方の手で口を抑えられていた
必死に抵抗するが全く歯が立たない
「んー!んんー!」
なんとか気づいてもらおうと叫ぶ
その時だった俺を掴んでいるそいつが
ドスの効いた声で喋り出した
「…おい今すぐ静かにしねぇと
ここで服脱がすぞいいのか?あ?」
その言葉にピタッと俺の動きが止まる
あぁ神様俺が一体何をしたというのでしょうか
こんな、ひどいだろ!
なんで俺がこんな目に遭わなきゃいけないんだよ!
悔しさから唇を噛み締める
すると俺の頭上から声が聞こえてくる
「チッやっと静かになったか」
抵抗してもダメだとわかっていた俺は
静かにそいつの話を聞く
するとその時そいつにつかまれていた手が
自由になったと思ったら口にあった手も
解かれていた
なんだなんだと思いそいつの方を振り返る
とそこにはサングラスとマスクを外している
最中の男がいた
そいつの謎の行動に逃げるのを忘れ
顔をガン見してしまう
そいつの顔を見た瞬間俺は思考停止に陥った
「な、なんでここに
宮坂龍希(みやさかりゅうき)さん…が?」
宮坂 龍希とは
牡丹学園という超のつくお金持ち兼秀才学校の理事長をやっている人なのである
しかも美形でテレビにもよく出ている有名人だ
が俺は一つの疑問が浮かび上がり
冷静になって宮坂さんに伝える
「あの、色々聞きたい事はあるけど
一つだけいいすか?」
宮坂さんの方を向き
顔をのぞき込むように言う
宮坂さんはこちらをじっと見ながら答える
「あぁいいぞ」
宮坂さんは周りを気にしながら答えた
バレるとめんどくさいのだろう
「牡丹学園って男子校ですよね?
俺一応スカートはいてるの見えますか?」
そう一人称は俺で性格も男っぽいが
これでも一応女だ
よく男に間違われるけどな
「あぁそんなの知っている
この前あった時にな」
宮坂さんはふんっと顔を背ける
俺と宮坂さんは確かに面識があった
俺の父さんは有名なテレビ局長兼社長で
ついこの前のことだ
父さんに用事があって職場に言った時に
宮坂と少し話をした
その時に父さんがうちの娘ですって言った時は
少し驚いてたのを覚えている
「んじゃあなんで!」
困惑し戸惑っている俺はつい大きな声で叫んでしまう
だが宮坂さんは顔色一つ変えず
こちらをじっと見ている
すると宮坂さんはふと時計を見て
身を少し見開いた
と慌ててこっちを向き
「すまないが俺は忙しいんだ、もう行くぞ」
そう俺に言い
近くに止めてあった車で行ってしまった
「ちょっ、まっ!」
俺の叫びは虚しく
行ってしまった宮坂さんに届く事は無かった
周りはさっきまでの出来事が
まるで無かったかのように静かだ
俺はただ、去っていく車を
呆然と見つめることしか出来なかった
がここは道の真ん中だ
ずっとそこに立っているわけには行かない
だからとりあえず帰ることにした俺は
家へと向かって歩き出した