不器用な恋模様

「ほんとに良かったよぉ」



「ねぇ、私鏡のところに行きたいの。ついてきてくれる?」


泣きやんだ桃華にそう言った。


まだ落ち着きを取り戻していない桃華の代わりに南くんが


「うん。行こう。さっき目が覚めたって美晴のお母さんが言ってたから。きっと喜ぶよ」




そうして、私たちは美晴の病室へと急いだ。


コンコン


「はい、どうぞ」


鏡の声…!

叫んでしまいそうになるのを必死で押さえ込む。


ガラッ


「美晴、大丈夫なのか?」


「おう、頭はちょっと痛いけど、平気だぜ」





「鏡…良かった。無事で…」


本当に良かった…

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