不器用な恋模様

「なぁ、そこの人誰なの?クラスメイト?」


沈黙を破ったのは鏡だった


しっかりしろ、わたし


今くよくよ悩んでだって仕方がないじゃないか。


それに悩んでるのなんて私らしくないんだから!


「えっと、初めまして鏡くん。私は有川奏って言います。同じクラスの委員長だからクラス代表でお見舞いに来たんだ。これからもなにかあったら言ってね」

今できる精一杯の笑顔で言えたと思う。

「おぉ、よろしく。有川」


ズキン。

名字で呼ばれることに違和感をそして距離を感じる


今はこれで…これでいいんだ。
また好きにさせればいいんだよね


私たちはそのまま病室をあとにした


< 34 / 77 >

この作品をシェア

pagetop