不器用な恋模様
「なぁ、そこの人誰なの?クラスメイト?」
沈黙を破ったのは鏡だった
しっかりしろ、わたし
今くよくよ悩んでだって仕方がないじゃないか。
それに悩んでるのなんて私らしくないんだから!
「えっと、初めまして鏡くん。私は有川奏って言います。同じクラスの委員長だからクラス代表でお見舞いに来たんだ。これからもなにかあったら言ってね」
今できる精一杯の笑顔で言えたと思う。
「おぉ、よろしく。有川」
ズキン。
名字で呼ばれることに違和感をそして距離を感じる
今はこれで…これでいいんだ。
また好きにさせればいいんだよね
私たちはそのまま病室をあとにした