鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
1年生・春

その自信、なによ?(鈴木ありさ)

「今日から高校生かぁ~」

「なんかピンとこないわね」

こんなぼぅっとした美空が高校生なんてね、と言う本音はそっと胸の内にしまっておく。
クラスは違うけど、新しい学校生活の初日、一緒に行こうとわたしたちは誘い合って、待ち合わせをしていた。

美空とわたしは、中学時代から大の仲良し。親友だ。
中学から一緒だけど、彼女は本当に鈍感で、天然で、マイペースで、めちゃくちゃ可愛い。
見ていて飽きないし、わたしに持ってないものを沢山持っているから、一緒にいて楽しい。

待ち合わせ場所から2人でのんびり、今日からわたし達の学び舎となる高校に向けて、おしゃべりしながら歩く。
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