鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
やれやれ、と、委員長はメガネを指で引きあげた。
わたしが巻き込まれたのはともかく、副委員長を巻き込んだのはわたしなんだけどな。
まるっと高橋君のしでかしたことになっている。

「ま、楽しそうだし良いか。
高橋、さっきのチラシ、見せてくれ」

「お? 委員長も乗ってきたね!
ほらこれ!」

二人はチラシを眺めてはどれが良いかと相談している。

ちらりと副委員長を見やれば、偶然かどうなのか目が合った。
二人でくすりと笑いあって、わたしは中断していた授業の支度を再開した。
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