鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
「立花さん! って、え?」

校舎裏の大きな木に寄りかかっていた男子生徒が、身を起こしてあたしに声をかけた。
ちょっと驚いたような顔をしている。

「あ、はい?
手紙、くれた方ですか?」

「あ、うん、そうだけど……」

じぃっと瀬田を見ている男子生徒。
瀬田に驚いたんだね。
それもそっか、あたし一人を呼び出したのに、2人来たらビックリしちゃうよね。

「ああ、友達の瀬田です。
なんか心配性で。
見守るとか何とか言って、着いてきちゃいました」

「そ、そう……」

瀬田はあたしの隣で、腕組みをしている。
気難しそうな顔で。
何考えてんだろ。
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