鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
2年生・冬
あら、珍しい(鈴木ありさ)
「お~い、鈴木~!」
「ん?」
お昼休憩でクラスメイトの女子とお弁当を食べ終わった後。
席でのんびり小説を読んでいると、ふいに声をかけられた。
いいところなのに……、と思いながらも本に栞を挟んで顔を上げると、教室の入口付近でわたしを呼んだ男子生徒が頬を赤く染めていた。
「どうしたのよ、その照れ顔。
びびった。あんたのそんな顔初めて見た」
「……。
鈴木、そのお前のズケズケ物言う感じ、もうちょっと落ち着かない?
まぁいいや。客だっての! ほら……っ!」
いやいや。
普段、俺は硬派ですって感じでやたら険しい顔してるムキムキの柔道部部男子が、見たことないくらいにデレデレと頬を染めてたら、そりゃあ一言くらい言いたくなるってもんでしょうよ。
わたしは、こいつどうした? と思いながらもお客がいるらしい教室の入口に目を向けた。
「ん?」
お昼休憩でクラスメイトの女子とお弁当を食べ終わった後。
席でのんびり小説を読んでいると、ふいに声をかけられた。
いいところなのに……、と思いながらも本に栞を挟んで顔を上げると、教室の入口付近でわたしを呼んだ男子生徒が頬を赤く染めていた。
「どうしたのよ、その照れ顔。
びびった。あんたのそんな顔初めて見た」
「……。
鈴木、そのお前のズケズケ物言う感じ、もうちょっと落ち着かない?
まぁいいや。客だっての! ほら……っ!」
いやいや。
普段、俺は硬派ですって感じでやたら険しい顔してるムキムキの柔道部部男子が、見たことないくらいにデレデレと頬を染めてたら、そりゃあ一言くらい言いたくなるってもんでしょうよ。
わたしは、こいつどうした? と思いながらもお客がいるらしい教室の入口に目を向けた。