鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
「明日学校休みだし」
とか
「久しぶりにありさと一緒にお泊り会したいよ」
とか言って、何やら懸命に訴えてくる。

「いいわよ美空!
久しぶりね、楽しみだわ!
そうだ、前みたいにおばさんと3人でお喋りでもしましょうよ。
おやつ買っていくわ、何が良い?
美空が好きなのは大体知ってるけど、おばさんは何が好きかしら?」

何でそんなに必死に誘うのかはわからないけれど、断る理由なんてないし、むしろ大歓迎だ。

美空はう~ん、と考えるように、顎に右手の人差し指をちょんと軽く当てて目を閉じた。
その可愛らしく考える素振りに、さっきからこちらをちらちら見ている柔道部男子も、ほかのクラスの男子もそわそわしている。
あ~あ、美空はこれだから。
無自覚鈍感美少女って、すごいわよね、相変わらず。
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