鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
すたすた引っ張られるように歩きながら、振り向いて軽く頭を下げた。

「ではっ」

「頭も下げなくて良いし、挨拶しなくて良いって」

「そう言う訳にはかないよ?」

瀬田と言い合っている間に、屋上に着いた。
そこにも男子生徒が一人で立っていた。
どうやらあたしを待っていたもう一人の人らしい。

でも、さっきの校舎裏の時のように、やっぱり用事はないから、と言われた。
何なんだろ、呼び出しておいて、用事なくなったって。
あたしもしかして、おちょくられてるのかな?
一応会釈して挨拶して屋上から校舎に入ったけど、意味が分からなかった。
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