鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
立花さんはきょろきょろしている。
あ、合わない日もあるよ? とか言いながら。

いやいや立花さん、鈍いにも程があるぞ?
偶然時間や通学路があってるわけじゃないだろうに。

瀬田君が故意に合わせてるに違いない。

「よう美空、どうした? きょろきょろして。
俺のこと探してくれてた?」

やってきた瀬田君が、にやにやと立花さんの頭を撫でる。

「おはよ、瀬田。
え~と、うん? 探してた?
そんなとこなのかなぁ?
ね、青葉さん?」

「ま、まぁ……」

確かに、瀬田君いないねって話しをふったのはあたしで、それで瀬田君を探していたことは間違いない。

「おー、青葉もおはよう。
朝から珍しい組み合わせだな」

「さっき偶然あったの」

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