鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
3年生・冬

ゲーム?(副委員長)

放課後、わたしは自分の席で日誌を書いていた。

「美空、お菓子をあげようか」

「え? 瀬田がお菓子?
珍しいね、何?」

前の席では、瀬田君が立花さんに話しかけている。

このクラスどころか、学年1、いや、学校1有名な仲良しカップルの2人は、常に目を引く。
わたしも引かれて、つい見てしまう一人だ。

瀬田君の顔がニヤついていることに、鈍感な立花さんは気づいていない。

「ついでにゲームをしようか」

「ん? ゲーム?」

わたしは瀬田君が後ろ手に持っているお菓子を見て、察しがついてしまった。
教室で、放課後といえどまだクラスメイトがいっぱい残ってる中で、またそういうことをしようとして。


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