鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
お前……。
俺は、頭を抱えた。
こんなこと考える時間があったら、もっと他にやることあるだろ。

「あまぁ……お水……。
うぅ……、ゆ、優斗……?」

「良くできました。
ルールその2。
好きって言ったら、お茶あげる」

「う~~~……」

「ほらほら、甘すぎて大変だろ?
俺を好きって一言言ったら、お茶だぞ?」

立花は、顔を真っ赤にして何か言いかけたけど……。

いきなり立ち上がって、逃げた。
みんなの前で言えない~!
と、その小さな背中が言っているようだった。
放課後、まだまだクラスメイトが残っている状態だ。
それはそうだ、恥ずかしいだろう。

「ぷ。また逃げられてる」

「瀬田お前、えぐい。
立花が可哀想になってきた」

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