鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
「だってよ~、美空言ってくれないんだもんな。
強硬手段じゃないと」

「あ……。
立花さん、水道そっちじゃ……!
ハッ! 瀬田君、今の……!
聞いてた……?」

「バッチリ。
あいつ、咄嗟に水道と反対の自販機コーナーに行ったな……?
財布持ってないくせに」

くすくすと笑って、仕方ないなぁとお茶を手に教室を出る瀬田。
ああ、立花、いつも助けてやれなくてごめん。

しばらくして、瀬田が珍しく悔しそうな顔をして、一人で戻ってきた。
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