鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
翌日の放課後。
瀬田は今日も、立花に近づく。

「美空、お菓子をあげ……」

「バカーーーー!
昨日ありさが言ってた通りだっ!
もう帰るっ! 
瀬田のお菓子なんていらないっ!」

立花は赤い顔を晒して、カバンをさっと手にして逃げるように去っていった。
のんびりおっとりな彼女にしては、素早かったと思う。
きっと、昨日鈴木さんに言い聞かせられたんだろう、逃げろと。

「くそう、反省したから普通にあげようと思ったのに……」

「普段の行いが悪いからだ」

「……まぁ、今日もあみだくじとか用意してたけど……」

「……立花バカの、真骨頂だな……」

珍しく二日連続、逃げれて良かったな、立花。

-END-
< 228 / 229 >

この作品をシェア

pagetop