鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
同じクラスになってから。
高橋も、美空のモテっぷりと鈍感っぷりと、それを俺がフォローしていることを知っている。
俺から美空が離れたら、いろんな男が押し寄せてきて、次々告白やらしだして、毎日それこそ大変だということを理解しつつ、おちょくっているんだ。

「ごめんごめん、面白かったからつい。
立花ちゃん、瀬田はタラシじゃないよ?」

冗談冗談、と、高橋はやっぱり笑った。

「なぁんだ、そっかぁ」

美空は繋いだ手を離そうと、ぶんぶん腕を振るのをやめた。

「ほらもう帰ろう。
いつまでも高橋の冗談に付き合っていられない」


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