鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
「じゃ、先生。
美空をお願いします。
放課後迎えに来ますから」

「はいはい、本当瀬田君って、立花さんに過保護ね。
教員の間でも評判よ~?
じゃあ、放課後まで預かっておくから、安心して授業に戻りなさい?」

ぼうっとして、いつも以上に動かない頭の横から、瀬田と保健先生の会話が聞こえる。
瀬田に運ばれて寝かされた保健室のベッドの上で、目を閉じる。
なんだか体は熱いし、瞼も重い、開けていられない。
熱のせい、かな……。

「お休み、美空……」

ふわりと優しく頭をなでてくれる手が、離れた。
ちょっと名残おしいなって思いながら、あたしは眠りについた。
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