鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
「ありさ、焼けたね?」

「そうなの! 夏休み、家族で沖縄行ってきたのよね。
実は向こうに親戚がいるのよ。
結構長いこといたら、すっかり焼けちゃって」

「い~なぁ沖縄!
あたし、行ったことないよ~」

きゃっきゃと楽しそうな美空に、黙々とコーヒーとパンを口に運ぶ瀬田君。
あ、美空へのお土産、うちに忘れて来ちゃった。
明日、持ってこよう。

「美空は、夏休みどうしてた?」

「ん? バイトしたり、瀬田と会ったり?」

「ねっ?」と、美空は瀬田君に同意を求めた。
「なっ!」と、瀬田君も相槌をうつ。

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