鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集

「え……？　二人っきりで……？」

「うん、そうだけど……？」

え、この二人、知らないうちにもしかして、付き合い始めた、とか……？

「ね、ねぇ美空、もしかして……」

わたしはドキドキしてきた。
鈍感な美空が、この溺愛男とまさか……？

「最初はみんなで遊ぼうって計画立てるんだけど、どうしてかみんな、都合悪くなるんだよね。
急な予定入ったとか、忘れてたとか？
いつも気づくと集合場所に、瀬田とあたし二人しかいないんだよねぇ。
みんな、夏休みは色々と忙しかったみたいだね？」

小首をかしげる美空。
相変わらず、鈍い……。
それってさ、どう考えてもさ……。

瀬田君の口元が、にやりと笑っている。