鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
「ふぅん?
瀬田君、わたしのいない間によくもまぁ。
わたしの親友に、色々好き勝手してくれたわね?」

鈍いのをいいことに、周囲も巻き込んで。

「ははは、鈴木の居ぬ間にってヤツ?
よかったな、沖縄楽しかったろ?
俺も、楽しかった」

……。
この男、愛情表現がどんどんレベルアップしていないかしら?
中学の頃は、もうちょっと控えめだったと思うんだけど……。
ま、それでも好き好きしてたけどね。

「どしたの? 二人とも?」

ふふふ、と怪しげな笑顔を浮かべて顔を見合わせるわたしと瀬田君を、美空はきょとんと不思議そうに眺めていた。
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