鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
1年生・冬

大丈夫か?!(青葉うみ)

「ちょっとヤダったらぁ!」

「大丈夫、嫌じゃないだろ?」

「こんなとこでダメ……っ!」

次の授業は移動教室。
あたしと愛ちゃんが連れ立って歩いていると、嫌がる女子とその女子に迫っている男子の声が聞こえた。
どこからだろう、と耳を済ませると、あたしたちが次に授業で使う教室からだった。
って、ことは、前の時間にこの教室を使っていた生徒……?

「なんだろう……?」

「無理矢理何かされてるとしたら助けなくちゃ、行こう、愛ちゃん!」

「う、うん!」

あたしと愛ちゃんは、ゆったり歩いていたのをやめて、足早に進んだ。
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