鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
「……あ」

開けたドアの先にいた2人。
それは、恥ずかしがる立花さんと、彼女を抱きしめる嬉しそうな瀬田君だった。

なぁんだ、この2人だったのか。
いつもラブラブいちゃいちゃで、学校一有名なカップルだ。

「学校で抱きしめないでって言ってるの!」

「じゃあ、どこなら良い?」

言い合う2人に、力が抜けた。
どうやら、思ったような緊急事態ではないらしい。

「大丈夫、そうだね?」

愛ちゃんの言葉に、そうだな、と思う。

「……。
驚かせやがって。
瀬田君と立花さんじゃないか。
2人なら、いいか」
< 46 / 229 >

この作品をシェア

pagetop