鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
では、と、今度こそ瀬田は歩き出した。
呆ける先輩を残して。

俺と委員長は、先輩の横をそおっとすり抜けながら、その表情を伺った。

泣いている、とか落ち込んでいる、とかの様子はない。
逆に何故だか、晴れやかな笑顔を浮かべていた。

「どうして振られて笑ってられるんだろう。
しかもあんなに木っ端微塵で……」

「あれだけはっきり振られたら笑うしかないんじゃないか?
俺もよくわからないけど」

逆に清々しかったのかもな、変に期待持たされるよりも、諦めがついて。
委員長は顎に手を当てながら、考える素振りを見せた。

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