鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
……。
真顔で何を一人呟いてるんだ、このイケメン。

隣の委員長を見やれば、うんざりとした顔を瀬田に向けていた。
俺は苦笑いを浮かべた。

「立花と交際を始めた今。
瀬田の行動はこれ以上にエスカレートする気しかしない」

以前から暑っ苦しかったのに。
委員長は言いながら、黒ぶちメガネを指で引き上げた。

「美空!」

教室についた途端、瀬田は立花ちゃんに駆け寄る。
それはそれは嬉しそうに。
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