鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
バレンタインの憂鬱(瀬田優斗)
「はぁ……」
俺の口からため息が漏れた。
朝からなんだっての。
「お早う、瀬田。
で、何で靴箱前でボケっとつったってんだ?」
後ろから、肩を叩かれる。
この声と口調、振り向かなくったって分かる。
「よ、委員長。おはよ」
振り向くことなく返事をし、手の中にある物をどうしようかと見つめていると、委員長が後ろから覗き込んできた。
「プレゼント……?
瀬田、今日誕生日か何かか?」
ラッピングされたそれらを見やり、委員長が俺の後ろで不思議そうに首を傾げたのがわかった。
今日という日が何の日か、忘れているらしい。
「違うって。
これ、多分チョコ」
ああ、なるほど、と後ろから納得した声が聞こえる。
俺の口からため息が漏れた。
朝からなんだっての。
「お早う、瀬田。
で、何で靴箱前でボケっとつったってんだ?」
後ろから、肩を叩かれる。
この声と口調、振り向かなくったって分かる。
「よ、委員長。おはよ」
振り向くことなく返事をし、手の中にある物をどうしようかと見つめていると、委員長が後ろから覗き込んできた。
「プレゼント……?
瀬田、今日誕生日か何かか?」
ラッピングされたそれらを見やり、委員長が俺の後ろで不思議そうに首を傾げたのがわかった。
今日という日が何の日か、忘れているらしい。
「違うって。
これ、多分チョコ」
ああ、なるほど、と後ろから納得した声が聞こえる。