鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
「げ」
委員長と教室まで一緒に来て、それから自分の席に着いてカバンを置いて、机の中の教科書を確認した時。
あるはずのないものを机の中に突っ込んだ手で確認して、俺は顔をしかめた。
「おはよ! 変な声だしてどうしたの? 瀬田」
「い、いや、なんでもない……。
おはよう、美空」
隣の美空がきょとんとこちらを見つめている。
俺はひきつりながらも笑顔で彼女に挨拶を返した。
机の中にチョコが入っていたなんて、愛する彼女に言えるわけがない、
バレンタインは女子が思い切って男子に告白する日だ。
気持ちがこもっているのは分かる。
勇気がいるのも分かる。
委員長と教室まで一緒に来て、それから自分の席に着いてカバンを置いて、机の中の教科書を確認した時。
あるはずのないものを机の中に突っ込んだ手で確認して、俺は顔をしかめた。
「おはよ! 変な声だしてどうしたの? 瀬田」
「い、いや、なんでもない……。
おはよう、美空」
隣の美空がきょとんとこちらを見つめている。
俺はひきつりながらも笑顔で彼女に挨拶を返した。
机の中にチョコが入っていたなんて、愛する彼女に言えるわけがない、
バレンタインは女子が思い切って男子に告白する日だ。
気持ちがこもっているのは分かる。
勇気がいるのも分かる。