鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
1時限目が終わった途端、俺は席を立った。

「委員長、ちょっと相談乗ってくれよ」

「おぅ、どうしたイケメンモテ男。チョコ貰いたい放題君」

……さてはこいつも、さっきの長岡とのやりとりを見ていたな?
それか朝の靴箱のチョコの件か?
それとも高橋が面白おかしく喋ったか。

「チョコ、どうすれば良いと思う?」

俺は、靴箱に入っていた3個のチョコの他に、間違えて長岡の机に入っていた1個と、あと机の中にも2個入っていた、と伝えた。
あと、女子の気持ちを無下にはしたくないけれど受け取れないし、人にあげるのも、捨てるのもなんだかな、と思うんだけど、と。

「ほぅ、すでに6個ものチョコをもらってるのか。
さすがイケメンモテ男、チョコ貰いたい放題君」

「その呼び方やめろ」

俺と委員長がそんなやりとりをしていると、高橋が横から話に入ってきた。

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