鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
「じゃ、返せばいいんじゃないか?」

「お、それだ!」

そうだ、きっぱりと断って、返せば良いんだ。
折角の勇気を踏みにじるかなって一瞬思ったけど、人にあげるでも捨てるでもないし、勝手に押し付けられた物を返すだけ。
そう思えば良いのかも知れない。

「そうか、返せば良いんだ!
助かった、有難う委員長!」

「まぁ、対したことは言ってないけど参考になったならよかった。
モテすぎるのも大変だな、チョコ貰い放題モテ男」

「だからそれやめろ」

黒ぶちメガネを指で引き上げながら、委員長はにやりと笑って俺の言葉を流した。

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