鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
「ちっきしょ、どうして瀬田ばっか!
学校一の美少女を彼女に持ちながらまだモテるとか、どうなってんの?!
色々独り占めしすぎだっての!!」

高橋のよくわからない叫びは無視して、俺は委員長に合図をしたあと席に戻った。

「美空、今日は一緒に昼飯食えないわ。
悪いな」

「え? そうなの……?
うん、わかった……。
ありさのとこに行くね?」

突然の俺の申し出にきょとんと、少し淋しそうな顔をする美空。
そうだよな、いつも一緒だし。
それが突然無理って言われたら、俺だって淋しい。

本当はいつも通り、美空とイチャイチャしながら昼休みを過ごしたい。
でも、休憩時間だけでは返しきれないだろうから、昼休みを使って全てのチョコを返さなければ。
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