鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
ああもう!
俺はイライラしながら4時限目を過ごして、昼休みになった途端に席を立った。
桜の木の下に、同級生の女子が立っていた。
「瀬田君、来てくれたんだ!」
嬉しそうに微笑む彼女。
「何か、用?」
我ながらそっけないと思う。
だけど、変に優しくするより良いと思う。
俺には美空がいるのを知ってて呼び出しているんだよな?
「う、うん、あの、これ……」
目の前の女子は、おずおずとラッピングされたチョコを差し出しながら頬を紅く染めた。
「わたし、瀬田君のことが……!」
「……ごめん。俺、美空だけだから」
「だ、だよね……」
言葉を遮って、断る。
彼女は、苦笑いを浮かべている。
「知ってるんだけど、気持ちだけでも伝えたいなって思って……。
ごめんね、時間とらせて。
もう、行って?
来てくれて、ありがとう」
非情かなとも思ったけれど、ここで気を持たせるようなことをしてはいけない。
ますます傷つけるだけだ。
俺は頷いて、彼女を残してその場を去った。
俺はイライラしながら4時限目を過ごして、昼休みになった途端に席を立った。
桜の木の下に、同級生の女子が立っていた。
「瀬田君、来てくれたんだ!」
嬉しそうに微笑む彼女。
「何か、用?」
我ながらそっけないと思う。
だけど、変に優しくするより良いと思う。
俺には美空がいるのを知ってて呼び出しているんだよな?
「う、うん、あの、これ……」
目の前の女子は、おずおずとラッピングされたチョコを差し出しながら頬を紅く染めた。
「わたし、瀬田君のことが……!」
「……ごめん。俺、美空だけだから」
「だ、だよね……」
言葉を遮って、断る。
彼女は、苦笑いを浮かべている。
「知ってるんだけど、気持ちだけでも伝えたいなって思って……。
ごめんね、時間とらせて。
もう、行って?
来てくれて、ありがとう」
非情かなとも思ったけれど、ここで気を持たせるようなことをしてはいけない。
ますます傷つけるだけだ。
俺は頷いて、彼女を残してその場を去った。