鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
男子生徒は調理実習室を出て行った。
のに、相変わらず瀬田はあたしを抱きしめて離さない。
「瀬田、そろそろ教室戻らないと……。
そろそろ離して?
ってか、なんでいつも突然現れるの?」
瀬田はどうしてあたしの居場所がわかるんだろう?
いつも不思議なんだよね。
「お前って本当にな……。
ま、いいか。言っても鈍感でおバカな美空が分かるわけないし。
まぁお前が分かるように、しいて言うのなら。
俺とお前はワンセットだから、一緒にいなきゃダメだから、かな」
抱きしめる腕を解きながら、瀬田はやれやれ、と笑った。
……かなりバカにされている気がする。
「……バカにしてる?」
「してないしてない、可愛がってるんだって。
あ~、今日も俺の美空は可愛いなぁ~。
バカで鈍感で天然で隙だらけで可愛いなぁ~」
のに、相変わらず瀬田はあたしを抱きしめて離さない。
「瀬田、そろそろ教室戻らないと……。
そろそろ離して?
ってか、なんでいつも突然現れるの?」
瀬田はどうしてあたしの居場所がわかるんだろう?
いつも不思議なんだよね。
「お前って本当にな……。
ま、いいか。言っても鈍感でおバカな美空が分かるわけないし。
まぁお前が分かるように、しいて言うのなら。
俺とお前はワンセットだから、一緒にいなきゃダメだから、かな」
抱きしめる腕を解きながら、瀬田はやれやれ、と笑った。
……かなりバカにされている気がする。
「……バカにしてる?」
「してないしてない、可愛がってるんだって。
あ~、今日も俺の美空は可愛いなぁ~。
バカで鈍感で天然で隙だらけで可愛いなぁ~」