鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
「美空は、俺とデートな。
ホワイトデーだから出かけるぞ」
「え? 今日放課後お出かけ?」

きょとんとこちらを見上げる美空の頭を撫でて、そうだよ? と笑顔を向ける。
ちなみにおばさんには連絡済みだ、いつもより遅くなっても大丈夫。

「お前らホワイトデー関係なしに、普段からイチャイチャデートしまくってんじゃん」

げんなりとした表情で長岡は俺らを見やる。

「今日はいつもより遅くなっても大丈夫だし、おいしいとこに美空をディナーに連れてくんだ」

「……ああはいそうですか」

付き合ってらんねぇ、と長岡は自分の席に戻って行った。
しっかりとコロッケバーガーを手にして。

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